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医療法人

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脳について

脳について

脳の解剖と働き

脳を護るしくみ−血液脳関門−

脳は再生しない・再生している?

 怪我をして手足を切ったり、骨折したりしたときに治療をすれば皮膚や骨は再びつながって治ります。これは損傷した部位で細胞が分裂して組織を再生してくれるからです。脳はこの組織を再生する能力が乏しい組織です。脳は神経細胞が互いにネットワークを形成している精密なコンピューターのようなものです。このネットワークは子供のころに作り上げられてしまいます。原則として、障害をうけてネットワークをつなぐ配線が切れてしまうと再びつながることはありません。

 脳卒中や脳外傷で発生した手足の麻痺などの症状がリハビリテーションで軽快することがありますが、これはネットワークが再生したのではなく、障害を受けずに残ったネットワークの機能が強化されるので症状が軽くなると考えられています。

 脳の中の神経細胞は再生しませんので大事にしなければなりません。アルコールや薬物中毒で神経細胞は直接障害を受け、その数が減ってしまいます。アルコール中毒者や薬物中毒の人は、若いころから明らかに脳の萎縮(神経細胞の減少)がみられ、脳の機能の低下があります。

 脳の神経細胞には脳血管から栄養が送られています。脳血管に限らず、血管は加齢とともに動脈硬化が進み小さな血管がつまってゆきます。このため加齢とともに神経細胞に栄養が送られなくなり、徐々に神経細胞がなくなってゆきます。こうして加齢とともに脳の機能の低下が起こり、物忘れがひどくなったり、計算が苦手になったり、ひどい場合は老人性の痴呆症が起こってくるのです。一旦起こった動脈硬化はもとに戻せません。正常な老化として血管の動脈硬化は進んでゆくものですが、できるだけ動脈硬化が進むのを防ぐ努力は必要です。高血圧症、糖尿病、高脂血症などはその日その日はどこかが痛いとかいう病気ではありませんが、長年の間に全身の血管に影響を及ぼします。治療しておかないと血管の動脈硬化の進行は早くなり、脳の老化が健康な人よりも早く起こります。

 近年おとなの脳の中に分裂して神経細胞になることができる神経幹細胞という細胞が見つかりました。この神経幹細胞は胎児や新生児の脳にしかないと考えられていましたので、大きな発見です。今のところこのおとなの脳の中の神経幹細胞がなにをしているかわかっていません。脳の機能は神経細胞の数だけではなく、神経細胞間のネットワークが重要ですので、神経幹細胞が分裂して神経細胞になったとしてもネットワークまで作ってくれるかどうかはわかりません。しかし、もしその可能性があるとしたら、外傷や脳卒中など脳の病気の後遺症で苦しむ人にとっては、新たな治療につながる可能性があり、今後の研究の発展が期待されます。
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年齢と脳

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